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記憶の旗を立てる 8月15日の日記集 椋本湧也

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記憶の旗を立てる 8月15日の日記集
作 椋本湧也
装丁 古本実加
装画提供 三瓶玲奈
いい風 2025年8月
427ページ


『記憶の旗を立てる〈8月15日の日記集〉』
他者の体験の記憶を、いかに受け継ぐことができるだろうか——。
94歳の祖母に戦時体験をインタビューし、その録音音声を聴いた71名の読み手が綴る「8月15日」の日記集。
「あんたたちにはわからんよ。体験してないんだから。それでもね、あんたたちがどう受けとめて、戦争しないように持っていくか。もうそれしかないよ」
(祖母へのインタビューより)

8月15日。
「戦後80年」が過ぎ、戦争体験を語る世代からその子の世代、その孫の、曾孫の世代。そうして戦争を知らない世代、直接的な戦争体験の語りを聞くことなく育った世代というように時間の経過による変化があるなか、わたしはなにを受け継げるのか。自分自身にとって一つの軸のようなものがあれば、考えを試みるときや、日常のふとした時とのつながりとして活きてくるかもしれません。
体験を聞いて、読んで、自分自身は何を考えたか。他者は同じ語りを通じて、なにを考えたのか。
これからもこの日を考え続けるために。

本書には、永六輔や花森安治、水木しげるらがのこした1945年の「8月15日」の日記も収録されています。80年前の今日を迎えた人びとが、それぞれどのような気持ちで過ごしていたのかを、この本を通じてぜひ触れてみてもらえたらとおもいます。

あとがきとしてある「8月16日」。
もし「8月15日」が8月14日だったなら秋田県の土崎は。
もし生まれた国が韓国であったなら自分は日本と朝鮮半島についてどんな風に考えていただろう。そもそもどのくらいのことを知識としているのだろう?
知らなかったこと、知り得ないかもしれないことを、だれかと接することで知る、想像してみる。本を読むこともそれに近いかもしれません。
そんな経験を重ねることは一見複雑に感じられるかもしれませんが、歴史の教科書で読んだだけのような知識、ニュースの見出しの数十文字のみとして何かを認識するのとは異なり、自分の感情や考え、言葉になりきらないものなどがそこに加わっていく経験となって、段々と自分で考えるための蓄えになるのではないでしょうか。

椋本 湧也 むくもと ゆうや
1994年東京生まれ、京都在住。家具メーカーのArtek & Vitra、出版社タバブックスでの仕事を経て、2025年に出版社「いい風」を立ち上げました。「読み手から作り手へ」をテーマに各地で本の制作ワークショップや読書会も行っています。編著に『26歳計画』『記憶の旗を立てる』『違和感のゆくえ』など。吉野山で柿と梨を育てています。

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